会長あいさつ

八戸地域防災協会

 2020年1月16日に国内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認されてから、2年以上経過をしていますが、今なお終息の気配がありません。ワクチン接種や各事業所、家庭において感染対策が講じられてはいますが、感染拡大の大きな波が、幾度も繰り返され、私たちの日常生活に大きく立ちはだかっています。

過去の感染症と戦ってきた先達は、いかにして乗り越えてきたのでしょうか。歴史の中での教訓を生かすということでは、防災と同じではないでしょうか。過去の感染症に学び、その教訓を伝承し、命を守り、地域を守り、安心・安全の将来に繋ぐ・・・。

最近、日本列島各地で、震度5強、5弱の地震が相次いで発生しています。国(内閣府)は、昨年12月に北海道から東北北部の太平洋沖でマグニチュード9クラスの地震の後に発生する津波で、最悪の場合、19万9千人が死亡するとの想定を公表しました。死者・行方不明が2万人を超えた東日本大震災を大きく上回るものでした。積雪で避難が遅れる冬の深夜に発生したとの想定ながら、その数の多さに圧倒されてしまいそうです。マグニチュード9クラスの大地震が起きれば、北海道や東北北部に最大で30メートル近い津波が押し寄せてくると予想されていますが、一方で、事前の防災対策や迅速な行動により避難が効果的に行われれば、被害を8割減らせるとの試算も出ています。様々な季節や時間帯を想定した訓練を通し、自分がどのような行動をとり、その場面に応じた対応をしていかなくてはならないのかを考えていくことが重要であり、命を守る行動につながっていきます。

このような災害が想定される中で、今年度から高校で新学習指導要領が実施され、新設の「地理総合」が必修になるとのことです。その地理総合の主要なテーマの一つが「防災」です。2025年以降の大学入試共通問題(大学入試センターホームページ2021年10月1日より)のサンプル問題は、過去に津波被害があった地域の復興の様子を示した地図を基に、集落の高台移転のメリット、デメリットなどについて考えさせるものです。防災教室や防災訓練だけではなく、このような今日的問題を考えていく教育カリキュラムステージが大切ではないでしょうか。そして日頃から災害について、自分事として考え、被害の軽減や復興のための具体的な対策等の学びは、「自分の命は自分で守る」という意識の高揚につながっていくものと思われます。

今年度こそ、新型コロナウイルス感染症が克服され、本来の社会経済活動のなかで会員相互が「人は出会って知人になり、語り合って友人となり、活動して仲間となる」ことが実現できればと強く願っております。

これからも、より一層のご支援・ご協力を宜しくお願い申し上げます。い申し上げます。

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